では、このマインドフルネス、どういうところがポイントなのでしょうか。
マインドフルネスを実践するにあたり、重要な考え方を説明します。
抑うつ的な気分のときは、私たちはよくない未来ばかりを考え、過去の失敗ばかりを振り返ってしまいます。
逆に気分がよいときは、未来は明るく感じられ、過去にとらわれずに済むでしょう。
このように、気分と考えは連動しており、さらには行動とも関係しています。
しかし、ここで大切なのは常に明るい気分でいようとしたり、無理に憂うつな気分を遠ざけようとしたりしない、ということです。
今の自分を悲観して過去の失敗ばかり考えてしまうのも、かつてよかったころの自分を振り返り、思い出に浸るのも同じです。
このようなあり方は、結局のところ、どちらも“今”ではないどこかに意識が向いている状態と言えます。
いずれにしても、 “今”を見ていないのと同じだからです。
マインドフルネスにおいて重要なのは
今この瞬間に心を向ける
判断を加えない(評価をしない)
ということです。
マインドフルネスが目指しているのは、あえてポジティブになることでもなく、ありのままの自分を受け入れるということです。
それには、まさに“今この瞬間”浮かんでいる思考や触れた感覚、想起されるイメージなど、これらをありのまま受け止めることが重要です。
思い浮かんだことにポジティブ、ネガティブな評価をつける必要もありません。ただ、あるがままを受容し、観察するだけにとどめておけばよいのです。
「ただそれだけ?」と思う人もいるかもしれませんが、これが案外難しいかもしれません。
もし、関心を持った人がいるようならば、一度試してみるとよいでしょう。