会社が復職面談をおこなう目的がわかったところで、具体的にどのような質問が想定されるか見ていきましょう。
産業医を始めとする、復職にかかわる人々が気にかけるポイントは以下のようなものです。
現在の体調
生活リズム
休職要因と再発防止策
現在の体調
現在の体調というのは、受診状況を含めたあなたの状態についてです。
就労意欲は十分でしょうか。「まだ働くのがしんどい」と感じられるようなら、職場復帰は早いかもしれません。焦りを感じるかもしれませんが、しっかりと療養し、就労意欲が湧いてくるのを待ちましょう。
通勤に耐えうるだけの体力は回復していますか?職場復帰した人が予想外だったということに、通勤や勤務のつらさがあります。休職後は想像しているより体力や判断力、集中力が低下しています。週5日勤務しただけでへとへとになる、という話も聞かれます。
その日の疲れを翌日まで持ち越さず、休日には外出などできていますか。
休職中の段階で、これくらいの回復状態でないと、復職したときにしんどいと感じるかもしれません。
無理のない復職のために、会社に配慮を依頼し、時短勤務などから始めることも可能な場合があります。そのためにも、面談前2週間程度の体調は自分でもよく観察しておき、面談で伝えられるようにしておきましょう。
生活リズム
生活リズムも、あなたの体調を把握するうえでわかりやすい目安になります。
規則正しい睡眠は取れているか。休職中は生活リズムが乱れがちで、昼夜逆転の生活になっていないでしょうか。
復職したら、毎日決まった時間に出勤しなければならないわけですから、朝決まった時間に起床し、朝食をとる、という生活習慣はささやかなことに見えて、とても重要です。
メンタルヘルス不調の場合、午前中は調子がよくない人も多いので、自分の体調の波にも留意しておくといいでしょう。1日をどのように過ごしているかを会社側に提示することは、復職に向けての大きなアピールになります。
そのために、リワークセンターでは生活記録表(活動記録表)というツールを使用しています。1日の何時にどんな活動をしたか、どんな風に過ごしたかを記入するものです。
たとえば午前6時起床、7時ウォーキング、9時からは近所の図書館で読書、などです。
こうして1日の行動を見える化することで、あなたがその時間、どのような活動ができているか一目瞭然になります。
会社はあなたが、仕事ができるほど回復しているかを知りたいわけなので、生活記録表のような実績は説得力を持って見てもらえるでしょう。できれば、復職前の2週間程度は生活記録表を記入しておきましょう。
休職要因と再発防止策
重要なのが休職要因と再発防止策です。あなたがなぜメンタルヘルス不調を来たしたのか、その要因について客観的に振り返られていることが大切です。
あなたが不調を来したときの状況を思い出してみましょう。もしかしたら、業務量が多すぎて、一人では処理しきれなかったのかもしれません。上司や同僚と人間関係上のトラブルを抱えてストレスを感じていたのかもしれません。
その問題は解決しているのか、もしくは、対処法を身につけたかが重要です。なぜなら、職場で同じ状況に再び陥ったとき、あなたはどうなるでしょうか。
ストレスを強く感じ、再び不調を来たしては元も子もありません。ストレスの原因を知り、それにどのように対処すれば良いのか方法を身につけておくことがあなた自身を守ることになります。
会社側としても、自己分析ができている復職者には安心できるものです。
「私はこのような状況でストレスを感じやすいですが、ストレスに対応するために対処法(ストレスコーピング)を身につけました。いざというときには、この対処法を実践したいと思います。」
このような返事ができればベストではないでしょうか。
休職要因の振り返りを一人でおこなうのは難しい場合も多いです。復職支援プログラムを実施しているリワークセンターなども活用してみましょう。
リワークセンターでは、ストレスの原因や対処法を考える無料体験会を定期的に開催しています。
「ひとりで自己分析するのが苦手」
「他の方の考え方も知りたい」
「同じような悩みを抱えている方と共有し合いたい」
このような方々におすすめのプログラム体験会です。
開催エリアなど詳しくは、イベント情報をご覧ください。