自分を正しく伝えるためには、まず自分で理解していなければなりません。
自分でよくわからないものを説明するほど不確かなものはないからです。
そのためにもまずは自己分析し、自分はどのような人間であるのかを知っておくのはとても重要です。
そのためのツールとして『自分取り扱い説明書』を作成してみるのもいいでしょう。
取扱説明書と言えば、電化製品などについてくるイメージですが、同じように考えれば大丈夫です。
どんな風に扱えば、自分は故障せず、調子よく動けるのか。つまり、心身の調子を維持できるのかを並べていけばいいのです。
難しい作業ではありません。
まずは基本的な情報から。
自分の名前や生年月日、住所や勤め先、SNSのアカウントを入れてもいいかもしれません。
次は好きな食べ物や好きな映画・本など、自分の趣味をピックアップしてもいいでしょう。
自分が大事にしているものや、尊敬している人、大切にしている格言などを入れてもいいと思います。
このようなノートを作ることで、自分を少しずつ理解できてきます。
苦手なものを書くのもいいですが、好きなもので埋めたほうが幸せな気分になれるかもしれません。
自分のよい状態を保つために必要なものをどんどん加えていくと、そのノートは自分だけのセルフメンテナンスの指南書になります。
困ったときにはノートを開き、自分の調子をよくする何かを見つけられれば、ぜひ日常に取り入れてください。
あなたの調子が下がるのを防ぎ、そのときの状態を維持するのに役立つはずです。
より専門的に、病気のサインを見逃さないためのメンテナンスツールを作ろうとすれば、『クライシスプラン』を作成すればよいですが、今回は触れずにおきましょう。
『クライシスプラン』は専門的な知識を持つ治療者と作成するのが望ましいです。
興味がある方は、主治医や担当のセラピストに相談してみてください。
さて、今回紹介した『自分取り扱い説明書』ですが、自己理解を深めるだけでなく、コミュニケーションツールとしても活用できます。
抵抗がない範囲で、周囲の人とシェアしてみるとよいでしょう。
自分がどのような人間で、何を好み、どうすれば調子よく過ごせるか、周囲の人に知ってもらえます。
周囲の人も、あなたへの理解が深まり、思わぬところで親近感を持ってくれるかもしれません。
趣味が同じだったり、好きな野球チームが同じだったりと、共通点を見出すことで、相手との距離が縮まります。
それだけで、人間の印象は変わるものです。
よい印象を持てる相手として、お互いにつきあうことができれば、対人関係のストレスはぐっと低減できるはずです。
そして、この質の良い対人関係こそ、休職者が復職する際にもっとも望むものではないでしょうか。
質の良い対人関係は、風通しのよいコミュニケーションを可能にします。
風通しのよいコミュニケーションにより、復職直後の不安や懸念点、色々な思いを相手に伝えることができるでしょう。
この意味でも『自分取り扱い説明書』は簡単に作成できるものですが、復職への準備として休職期間中におこなって損にはならないと思います。
以下よりダウンロードしてご活用ください。
●自分取り扱い説明書(PDF:110KB)
参考:プロが教える! 知っておきたい「NLPコミュニケーション」9つのスキル|心理学NLPを人生・仕事・人間関係に活かす「NLP Focus」