傷病手当金申請書の記入例を解説。間違えやすいポイントもチェックしよう

2023/6/14 最終更新

休職・退職中に受け取ることができる傷病手当金。働けないときや、「休職したいけど生活が……」などの経済的不安の解消につながる制度です。

傷病手当金は申請しないと受け取ることができません。

ただ申請書を受け取ったものの、どのように記入すればよいのか戸惑う方もいるのではないでしょうか?

本コラムでは、うつ病や適応障害などのメンタル不調で休職した方の傷病手当金申請書の書き方についてご案内します。

  • 傷病手当金申請書の書き方

    傷病手当金申請書

    傷病手当金とは、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度です。

    受給するためには、傷病手当金申請書を提出する必要があります。

                      

    傷病手当金申請書は、4枚で1組です。

    うち2枚が被保険者、つまり自分で記載する書類となっています。他1枚ずつ、医療機関と事業主に記入してもらうことになります。

     

    作成手順の決まりなどは特にありませんが、自分が記入できる場所を記載してから医療機関と会社に依頼するのが一般的です。

    退職後の申請で、申請期間に”会社に在籍していた日が含まれていない”場合には、事業主記入の3枚目は不要です。

    「傷病手当金って退職後も受け取れるの?」と疑問に思った方は傷病給付金は退職後も受け取れます。条件や注意点を解説しますも参考にしてください。

     

    さて、傷病手当金申請書のうち、1枚目は特に問題なく記入できるでしょう。 氏名・住所・受取口座などの情報を抜け・漏れなく記入しましょう。記載について迷うのは、主に2枚目だと思います。そこで、申請書の記入例を紹介していきます。

  • 傷病手当金申請書で、悩みやすい項目の記入例

    特に迷うのは傷病名と発病時の状況の二つだと思います。こちらの項目に注目して記入例と記入時のポイントをみていきましょう。

     

    <傷病名の記入例>

    うつ病

    うつ状態

    適応障害 

     

    <傷病名記入のポイント>

    ケガ・病気の部位や名称を記入します。

    この項目は医療機関で書いてもらう傷病手当金申請書4枚目の傷病名と同一である必要があります。確認してから提出しましょう。

     実際に書き込むときは、一つの欄に一つの傷病名を記入してください。

     

    <発病時の状況の記入例>

    電車に乗っているときに、急に酷い動悸と吐き気に襲われた

    継続的な不安・恐怖感

    布団から起き上がれないほどの倦怠感やめまい

    不詳

                        

    <発病時の状況を記入するときのポイント>

    初めて症状を感じたときの状況を記入しましょう。

    精神障害の場合には、「初めて症状を感じたのはいつだったかわからないけれど、いつからか憂うつな気持ちが長く続いている」など発病時の状況がわからないこともあるかと思います。そのようなときには”不詳”や”不明”と記入すれば大丈夫です。

  • その他、記入時に間違いが多い項目

    傷病手当金申請書の記入例を解説。間違えやすいポイントもチェックしよう

    他にも、申請書記入時に間違いが多いポイントがあるので確認しておきましょう。

     

    難しい項目ではないのですが、勘違いの発生も多いです。

    確認不足で書類の訂正になってしまうと、その分、給付金を受け取るのが遅くなってしまいます。

    せっかく申請しているのに、もったいないので注意しましょう。

     

    <振込先口座>

    振込先口座が間違っていて、振込みできないケースが多いようです。通帳を確認しながら記入するのが安心です。

    特に、ゆうちょ銀行の口座を指定する場合、支店名は漢数字3文字を書きこみます。“△△郵便局”と書くのは間違いなので注意しましょう。

     

    申請期間>

    療養のため休んだ期間は、仕事を休んだすべての期間を含めて記載しましょう。 傷病手当金は支給されないのですが、休んだ最初の3日間、いわゆる”待機期間”も含めます。

     

    <保険証の記号番号>

    保険証の上部に記載のある記号と番号を記入します。“記号”と”番号”の文言の右側にかかれている数字です。

    保険証の下部にある”保険者番号”が目をひきますが、こちらは同じ会社に勤めている方は同じ数字が表示されています。桁数もどちらも8桁で、ややこしいので注意が必要です。

     

    <傷病名や仕事内容の記入もれ>

    これらの項目は必須項目です。よくわからないからと空欄で出してしまうと、書類の不備として戻されてしまいます。

    訂正後に再提出すれば給付は受けられますが、受け取りが遅くなってしまいますので注意しましょう。

    また、仕事内容は具体的に記載してください。”事務員”や”会社員”などではなく、”経理担当事務”や”営業”など、業務内容がわかるように記入することがポイントです。

  • うつ病や適応障害などで休職中の方へ

    うつ病や適応障害などで休職中の方へ

    ここまでメンタル不調の方が傷病手当金を申請するときの記入例をご紹介しました。

    うつ状態のときなど、文章理解が難しいことや記入内容が本当に正しいか不安に襲われる方もいるかと思います。

     

    そのようなときはリワークセンターまでご相談ください。

    リワークセンターまでお越しいただけましたら、記入方法をご案内いたします。

     

    またリワークセンターでは、うつ病や適応障害などで休職中の方の復職をサポートしています。

    安心して復職できるように、企業さまと復職時期や配属先、仕事内容などの交渉も必要に応じておこなっています。

    職場復帰率95%、復職後の離職率5%と、多くの方が安心して働き続けられています(復職率、離職率:22年度実績)。

     

    一方で、メンタル不調の原因になったもとの会社に戻りたくない人もいるかと思います。

    そのような方には退職後の再就職もサポートしています。

    休職中には、さまざまな不安や悩みを抱えてしまいがちです。

    家族に相談できず、ひとりで抱え込んでしまう方も多くいます。

     

    休職中をどのように過ごせばいいのか

    復職と転職、どちらがいいのか

    復帰後に再発してしまわないか

     

    休職中の選択は今後の生活を左右する大きな決断です。

    あなたの心に寄り添いながら、あなたに合った選択や今後をサポートします。

    悩みをひとりで抱えこまず、ぜひご相談ください。

    リワークセンターのスタッフの約8割が、臨床心理士や精神保健福祉士、キャリアコンサルタントなどの国家資格保有者です。

     

    詳しいサービス資料や、復職・就職エピソードbookも無料で配布中です。

    気になる方はお気軽にお問い合わせください。

     

     

    ※コラム中の画像は全てイメージです

執筆:コラム編集部
執筆:コラム編集部
医療・福祉分野で主に障害のある方の支援を10年以上従事。これまでの経験とノウハウを活かし、さまざまな事情から不調になり休職したり、働けなくなったりした方向けに、復職や就職などの“働く”をテーマに少しでも役立つ情報を執筆。
監修:藤澤 佳澄
監修:藤澤 佳澄
大阪大学 大学院人間科学研究科 博士後期課程単位取得退学。大阪大学非常勤講師をはじめ、各種教育機関で教鞭をとる。 メンタルクリニックにて十年弱心理職として従事。「体験型ワークで学ぶ教育相談」(大阪大学出版会)一部執筆。現在は特定非営利活動法人Rodinaの研究所にて、リワークを広く知ってもらうための研究や活動をおこなう。