そもそも、認知行動療法にデメリットはあるのか?
どんなことにもメリット・デメリットがあるように、メリットの多い認知行動療法にもデメリットがあります。主に3つ、挙げることができます。
即効性はないこと
コストが高いこと
提供している医療機関が少ないこと
メリットがデメリットを上回るのならば実施を検討するべきですし、逆もまたしかり。認知行動療法を始める前にデメリットを知っておけば、始めたあとで「想像していたのと違った……」などと、つまずくことが減るでしょう。
デメリット① 即効性はない
認知行動療法は薬物療法に比べ、即効性は期待できません。自分の思考の癖や行動のパターンを変えるのは簡単なことではないからです。 まず、思考の癖や行動のパターンが存在すると自覚するのにも時間がかかります。これまでの人生、思考の癖とともに歩んできたのですから、それらは堅固なものになっているのです。それを自覚し、さらに変えていくのには、それなりの時間がかかります。 時間をかけて実施する分、再発が少ないというメリットと隣り合わせのデメリットです。どうしても、「スマホのように一晩でアップデート!」というわけにはいかないのです。
デメリット② コストが高いこと
認知行動療法には時間が必要であるとお伝えしました。そして、それは治療にかかる費用もかさむことを意味しています。費用と時間、二つのコストがかかってくるのです。1回の診療で認知行動療法が完結することはなく、10~20回ほどカウンセリングを受けることが必要になります。1回あたりの金額の相場は提供施設によって5,000~15,000円と幅があるものの、治療の終了までには、まとまった金額が必要になります。
経済的な事情から、治療を途中で断念してしまう方がいらっしゃるのも事実です。 医療機関で認知行動療法を受ければ、保険適用となり自己負担が抑えられる場合があります。保険適用となる疾患は決まっており、すべての疾患に対して保険が適用できるわけではありません。医療機関であったとしても、心理士による認知行動療法を受けると保険適用外となることが多いです。多くの機関では認知行動療法も含めたプログラムを提供しています。福祉サービスを利用したリワーク機関でも同様で、費用もひと月分の上限額以上の負担なしに受講することが可能です。
デメリット③ 提供している医療機関が少ない
医療機関で認知行動療法を受けることもできますが、実施している医療機関の数は少ないです。医師は日々の診察だけで手いっぱいということも多く、1回あたりのカウンセリング時間が長い認知行動療法まで手がまわらないのが現状です。また、医師なら誰でも認知行動療法を行えるわけではなく、一定の研修を受けていることが必要になります。 医師が実施できない分をカバーするために心理士が在籍している医療機関もありますが、それでも数が多いとはいえません。