パニック障害とうつ病の違い。復職へ向けた準備にも違いがあるのか?
パニック障害もうつ病も休職に至る方がいらっしゃるのが現状です。
今回は、この2つの病気について何が違うのか紹介します。
病気についてだけではなく、復職に向けた準備のこともお伝えします。
パニック障害もうつ病も休職に至る方がいらっしゃるのが現状です。
今回は、この2つの病気について何が違うのか紹介します。
病気についてだけではなく、復職に向けた準備のこともお伝えします。
パニック障害とうつ病では、異常がある場所が違います。そして、症状も違います。
大まかにいうとパニック障害は心因性の神経症、要するにこころの病気です。
一方のうつ病は脳の病気と考えられています。
それぞれについて、みていきましょう。
パニック障害は誰もが感じる心配や不安がとても強くなった状態で、症状が発作的に出てきます。
戦争や大災害など、生命に関わる脅威を感じたときにはほとんどの人に何らかの障害が生じる可能性があります。
その一種としてパニック障害も含まれますが、生命の危機に瀕していない、日常的な状況でも同じような発作がおこってしまうことがあります。
パニック障害では身体には何の異常もみられないのに、発作時「もう死ぬんじゃないか」というほどの恐怖・動悸・息切れなどがおこります。
発作は突然発生し、おさまると何事もなかったかのように感じられます。
そのため、「自分ではどうしようもない」「いつ起こるかわからない」ことが怖くなってしまいます。
病院を受診しても身体には「異常なし」と診断されるため、原因がわからないことも不安材料になり得ます。
そのような不安が蓄積していくと、日常生活に支障が出てくるようになります。たとえば、バスや電車など公共交通機関に乗れない、一人で外出できない、などです。
うつ病では、脳内の伝達物質がうまく機能しない、ホルモンの分泌異常などが原因で脳が正常に働けなくなります。
その結果として、長時間気分の落ち込みが続きます。
生活をしていて起こった出来事やストレスなど、環境からの影響も受けやすいといわれています。
異動や引っ越しなどもそうですし、他の身体疾患から影響を受けることもあります。
これといったきっかけがなく気分の落ち込みが長時間続く方もいます。
症状としては気分の落ち込み、悲しい、やる気が出ないなど精神症状のほか、食欲が湧かない、身体がだるいなどの身体症状もみられます。 特に不眠を感じる方も多いです。
パニック障害とうつ病は併発することもあります。
「いつパニック発作が起こるかわからない」というストレスにより二次的にうつ病を発症してしまうことがあるのです。
どのような状況でも、早期発見・早期治療が大切になります。
早く治療を始めれば、他の疾患の併発を予防できる可能性が高まります。
併発している場合でも、その後の再発リスクを下げることができます。
これまでみてきた通り、パニック障害とうつ病では症状・影響を受ける因子にさまざまな違いがあります。
そのため、復職のときの対応にもそれぞれ違う対応が必要になるでしょう。
もちろん、個人の症状によっても異なってきます。重要なのは個人に合った復職準備です。
復職するにあたり想定できる出来事に関しては事前に対応します。
復職へ向けて、減らせる不安は減らしておき、病気とも仕事とも上手く付き合えるように進めていきましょう。
これまでの傾向から発作が起こりやすい時間帯・状況がわかっている場合には、それらを避けて仕事ができるように調整していきます。
以下のような例があげられます。
公共交通機関の混雑時間を避けるため出勤
退勤時間をずらす
会議での席に配慮する
自分がリラックスする方法を探しておく
ストレスなどの影響も受けやすいうつ病では仕事から受けるストレスも無視できない要素です。
何がストレスとなってしまったのか、復職前に分析することも必要です。
原因がはっきりしている場合は、職場環境についても考慮すべきでしょう。
以下のような、業務に直接的にかかわる要素は会社とも事前に相談しておきます。
特定の業務負担が強いストレスになっている場合、
残業はしないことを、本人・会社の両者で決めておく
しかし、これといったきっかけがわからないパターンもあります。
また、生活するうえで、すべてのストレスをゼロにすることも難しいです。
仕事であっても、日常生活であっても、ストレスを受ける場面は発生する可能性があります。
そのため、次のようなことを学んでおくのも復職へ向けた準備として挙げられるでしょう。
セルフケアの方法
ストレスコントロールの方法
パニック障害とうつ病の違いについてみてきました。
疾患や症状が異なると復職準備で必要な事項も変わってきます。
症状の程度にも個人差がありますし、ある意味当然のことではあります。
ご自身の症状・ストレス源などを振り返り、無理なく復職できるよう、産業医・職場の人とも相談することが大切です。
※コラム中の画像は全てイメージです
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