休職とは? 主な理由・給与や手当・欠勤との違い・手続きを解説
2026/1/8 最終更新
休職の基礎知識から申請方法、休職理由、期間の目安、社会保険料や税金の扱い、受給できる手当、復職までの流れをわかりやすく解説します。休職に迷う方が安心して進められるようポイントをまとめました。
2026/1/8 最終更新
休職の基礎知識から申請方法、休職理由、期間の目安、社会保険料や税金の扱い、受給できる手当、復職までの流れをわかりやすく解説します。休職に迷う方が安心して進められるようポイントをまとめました。
病気や障害のこと、暮らしのこと、
お金や社会保障制度のこと、そして仕事のことなど、
何でもご相談ください。

休職とは、労働者が病気やケガ、家庭の事情などにより働くことが難しい場合に、雇用契約を維持したまま労働義務が免除される制度です。休職中は会社との雇用関係が続くため、復職に向けた準備を整えながら休養に専念できる仕組みとなっています。一方で、欠勤や休業とは制度の目的や扱いが異なるため、その違いを理解しておくことが大切です。
休職・欠勤・休業の違いは次のとおりです。
休職:雇用契約は継続し、会社の判断で労働義務が免除される
欠勤:労働義務はあるが、やむを得ない理由で勤務できない状態
休業:会社の事情や法令に基づき、労働者を働かせられない期間
休職と欠勤はどちらも働けない状態を指しますが、その意味や扱われ方には大きな違いがあります。休職は、病気やケガなどで長期的に勤務が難しいときに、会社が労働義務を免除する制度です。会社の就業規則にもとづき、申請や診断書の提出を経て、一定期間の休養が正式に認められます。雇用契約は継続され、復職に向けた準備を進められる点が特徴です。
これに対して欠勤は、労働義務があるにもかかわらず、やむを得ない理由で勤務できない状態を指します。体調不良や家庭の事情など突発的な理由で休むケースが多く、通常は事後的に会社へ連絡する扱いとなります。欠勤は短期間を前提としており、長期にわたる場合は休職へ切り替える判断が必要になります。
たとえば、風邪で1日だけ休むのは欠勤にあたり、医療機関での治療が必要な状態が続き数週間の休養が必要と判断された場合は、休職を申請する流れになります。このように、欠勤は短期・突発的、休職は長期・計画的という違いがあり、それぞれ会社内での扱いも異なります。
休職と休業は、どちらも仕事を離れる点では共通していますが、理由や扱いが大きく異なります。休職は、体調不良や家庭の事情など、労働者側の事情によって働くことが難しくなった場合に取られる制度です。医師の診断書の提出や会社の承認が必要で、一定期間の労働義務が免除されます。雇用関係は継続されるため、復職に向けて環境を整える期間として活用できます。
一方で休業は、会社の経営状況や業務の都合など、会社側の理由によって労働者を働かせることができない場合に発生します。たとえば、設備トラブルや自然災害で業務が停止するケースが該当します。休業の場合、労働基準法にもとづき、会社は一定の休業手当を支払う必要があります。労働者側に責任がなく、働きたくても働けない状態となる点が休職との大きな違いです。
このように、休職は労働者側の事情による休み、休業は会社都合による休みという明確な区分があります。目的や手続きが異なるため、自分がどの状態にあてはまるか理解しておくことが大切です。
休職期間は、一般的には数ヵ月から3年程度の範囲で定められていることが多いです。ただし、具体的な上限は法律で一律に決められているわけではなく、会社ごとの就業規則や労使の合意によって異なります。私傷病による休職の場合、まず数ヵ月を基本期間とし、回復状況に応じて延長の可否を判断する会社もあれば、通算の上限を1年、2年、3年などと明確に設定している会社もあります。
休職期間は、治療にかかる時間や復職準備のしやすさなどを踏まえて決められます。期間中に体調が整い働ける状態になれば、医師の診断や会社の判断を経て復職する流れになります。一方で、休職期限が迫っているにもかかわらず復職のめどが立たない場合には、会社から面談や今後の方針確認がおこなわれることがあります。
休職期間を過ぎても復職が難しい場合は、会社の規程にもとづき、退職や自然退職(雇用契約終了)として扱われることがあります。この判断は会社の就業規則によって異なるため、あらかじめ自社でどのように定められているか確認しておくことが重要です。必要に応じて人事担当者へ相談し、延長の条件や期限後の取り扱いを早めに把握しておくと安心です。

休職にはさまざまな理由がありますが、会社の規程では大きく二つに分けられることが一般的です。ひとつは、病気やけが、精神的な不調など、本人の健康状態によって働くことが難しくなる場合です。もうひとつは、家庭の事情や学業、公職就任など、私生活の都合により一定期間仕事を離れる必要がある場合です。それぞれの理由によって申請時の必要書類や取り扱いが異なるため、自社の就業規則を確認しておくことが大切です。
休職理由の主な分類は次のとおりです。
私傷病による休職(病気、けが、精神的な不調など)
自己都合による休職(家庭の事情、看護や介護など)
留学による休職(学業や語学留学のために一定期間勤務が難しい場合)
公職就任による休職(公的な役職に就くために勤務ができない場合)
私傷病による休職とは、業務や通勤中の災害ではなく、プライベートでの事故や体調不良、精神面での不調など、個人的な事情によって働くことが難しくなる場合に利用される休職制度です。会社の就業規則で定められた条件を満たすと、雇用契約を維持したまま一定期間労働義務が免除され、治療や回復に専念する時間が確保できます。仕事の継続が難しい状態が続くときに、無理を避けて休養を優先できる仕組みとして利用されます。
具体例としては、プライベートでの事故による骨折やケガ、うつ病や適応障害などの精神的な症状、気持ちが落ち込んで動けなくなる状態や不安が強まるといったメンタルヘルス不調が挙げられます。また、持病の悪化や長期にわたる体調不良により、医師が仕事を休む必要があると判断した場合も対象となります。これらは業務災害とは区別され、労災保険ではなく健康保険や会社の休職制度を利用する形になります。
私傷病休職を申請する際には、多くの会社で医療機関の診断書の提出が必要です。診断書には、病名や症状、休養期間の目安が示され、会社はその内容をもとに休職の可否を判断します。休職期間の上限や延長の条件、給与の取り扱いは会社ごとに異なるため、事前に自社の規程を確認しておくことが重要です。
復職を検討する段階では、担当医の判断に加え、会社や産業医との面談がおこなわれることがあります。働き方の調整が必要な場合は、面談の場で相談しながら進めます。無理に復帰を急ぐと症状が悪化することもあるため、体調や気持ちの状態を踏まえ、無理のない形で復職を目指すことが大切です。
自己都合による休職とは、私傷病による休職に限らず、本人の個人的な事情を理由として一定期間仕事を離れる休職制度を指します。ここでいう自己都合休職には、健康状態そのものではなく、私生活上の都合や事情から、しばらく勤務を続けることが難しい場合が含まれます。たとえば、家庭の事情で生活環境を大きく見直す必要があるときや、家族との関係調整のためにまとまった時間が必要なときなどが挙げられます。
一方で、留学や公職就任といった理由は、会社にとっても将来的なスキル向上や社会的な評価につながる場合があり、別枠の休職制度として扱われることが多くあります。そのため、ここで説明している広い意味での自己都合休職には、留学や公職就任など「会社にもメリットがある」と考えられる理由は含めないのが一般的です。これらは後の段落で別の休職理由として整理されます。
自己都合による休職を希望する場合は、まず事情を整理したうえで、どの休職制度に該当するのかを就業規則で確認することが大切です。そのうえで、上司や人事担当者に相談し、利用できる制度や期間、復職時の扱いについて早めに話し合っておくと安心です。
留学による休職とは、自己研鑽や専門知識の習得、語学力向上などを目的とした学業に専念するため、一定期間仕事を離れる休職制度です。学位取得や専門分野の研究、語学留学など、本人のスキルアップに直結する学習を目的とする場合に利用されます。私生活上の都合による休職とは異なり、会社が将来的な成長や業務への還元を期待できることから、制度として認められている企業もあります。
留学を理由とした休職を認める背景には、帰国後に得た知識や経験、海外で築いた人脈が、会社にとって価値のある資産になるという考え方があります。国際感覚の向上や新しい視点の獲得は、業務改善や新規事業のヒントにつながる可能性があり、長期的には組織全体の成長に寄与することがあります。そのため、企業によっては一定の勤続年数を満たした従業員に留学休職を推奨するケースも見られます。
休職を希望する際には、留学の目的や期間、学習内容などを明確にし、会社の就業規則に従って申請手続きを進めます。復職後の業務への活かし方について事前に話し合うことが求められる場合もあります。会社からの支援の有無や休職期間中の扱いは企業によって異なるため、制度内容を事前に確認しておくことが大切です。
公職就任による休職とは、国や地方公共団体の公務に就くことを理由に、一定期間仕事を離れる休職制度です。議会の議員や委員会の委員など、公共性の高い職務に選任された場合、通常の業務との両立が難しくなるため、会社が休職を認める仕組みとして設けられています。公務への就任は社会的な責務を果たすものであり、企業としても理解を示すことが多い休職理由のひとつです。
公職就任を理由とした休職が認められやすい背景には、従業員が公務で得る経験や人脈が、復職後に会社の業務へ生かせる可能性がある点があります。行政との関係構築や政策に関する理解が深まることで、公共案件の推進や地域との連携が必要な場面で役立つことがあります。また、責任ある立場での経験は、帰任後のマネジメントや組織運営にも良い影響をもたらすことが期待されます。
休職を申し出る際には、公職の内容や任期、活動が必要となる期間を会社に伝え、就業規則に従って手続きを進めます。任期中の業務引き継ぎや復職時期の見通しについて、事前に会社と相談しておくことが大切です。また、給与や社会保険料の扱いは企業によって異なるため、制度内容を確認したうえで準備を進めると安心です。

休職中は、働いていない間の給与や賞与がどうなるのかに加えて、社会保険料や税金の負担が続くのかどうかも気になるところです。一般的には「ノーワーク・ノーペイ」の原則にもとづき、仕事をしていない期間については給与や賞与の支給はおこなわれないと考えられます。一方で、在職扱いが続く場合は、社会保険料や税金の負担は原則として継続します。休職前に会社の規程や負担方法を確認しておくことが大切です。
休職中のお金の取り扱いの概要は次のとおりです。
給与:ノーワーク・ノーペイの原則にもとづき、支給されないことが多い
賞与:支給対象期間に勤務実績がない場合、全額または一部が不支給になることがある
社会保険料:在職期間中は健康保険・厚生年金の保険料負担が継続する
税金:所得税や住民税の納付義務は継続し、給与天引きがない場合は自分で納付する必要がある
休職中の給与や賃金は、基本的に「ノーワーク・ノーペイ」の原則にもとづき、支給されないことが一般的です。休職は雇用契約が継続している状態ではありますが、実際に労働の提供がおこなわれていないため、会社が賃金を支払う義務は生じません。この仕組みを理解しておくことで、休職期間中の生活費や公的制度の利用を事前に検討しやすくなります。
ただし、企業によっては例外的に賃金が支払われる場合があります。たとえば、会社独自の休職手当が設けられているケースや、一定期間のみ給与の一部を支給する制度を採用している企業もあります。また、会社都合で働けない「休業」とは異なり、私傷病など本人の事情による休職では、法律上の賃金補償が必ずしも発生しない点に注意が必要です。
休職期間中の収入の多くは、公的な傷病手当金に頼る形となります。医師が働けない状態であると判断した場合に申請でき、一定の条件を満たすことで支給されます。休職に入る前に、自社の規程で支給の有無や例外措置の扱いを確認し、あわせて傷病手当金の申請準備を進めておくと安心です。
休職期間中の賞与やボーナスの扱いは、会社ごとの就業規則や賞与規程にもとづいて判断されます。賞与は給与と違い、業績や勤務成績を踏まえて支給される性質が強いため、休職したからといって一律に支給されるものではありません。多くの会社では、賞与を受け取るための条件として、一定の在籍期間や査定期間中の勤務実績が定められています。
判断の基準となるのが「査定期間」と「在籍期間」です。たとえば、賞与の査定期間が直近6ヵ月と決められている場合、そのうちの大半を休職していると、勤務実績が不足して支給対象外と判断されることがあります。また、支給日に在籍していることを条件とする「在籍期間」のルールがある会社では、支給日より前に退職した場合は賞与が支給されない、といった取り扱いになることもあります。
具体例として、査定期間6ヵ月のうち3ヵ月を休職していた場合、規程によっては賞与が半額になる、あるいは勤務実績が足りないとして不支給となるケースもあります。逆に、短期間の休職であれば満額支給されることもあり、どの程度の影響が出るかは会社の規程によって大きく異なります。休職を検討している場合は、自社の賞与規程を確認し、疑問点があれば人事担当者に相談しておくと安心です。
休職中であっても、健康保険や厚生年金といった社会保険料の負担は免除されるわけではなく、通常どおり会社と労働者の折半で支払いが続きます。休職している間も在職扱いとなるため、社会保険への加入は維持され、保険料の負担義務も継続します。このため、給与が支給されない休職期間でも、社会保険料は支払う必要があります。 ただし、雇用保険料については給与が支給されない期間中は支払い不要です。
問題となるのが、休職中は給与が発生しないため給与天引きができないという点です。給与天引きができない場合、会社と労働者の間で、保険料をどのように徴収するかを事前に合意しておく必要があります。たとえば、休職前に数ヵ月分をまとめて前払いする方法や、休職期間中に指定口座へ振り込む方法、復職後にまとめて精算する方法など、会社の規程や運用によって取り扱いが異なります。休職に入る前に担当者へ確認し、支払い方法を決めておくことが重要です。
一方で、社会保険料が免除される特例が認められるケースもあります。たとえば、育児休業 を取得した場合には一定の条件を満たすと保険料が免除される制度がありますが、私傷病休職などの一般的な休職ではこれらの特例は適用されません。また、会社の規模や制度によっては独自のサポートが設けられている場合もあるため、自社の就業規則や社会保険関連の案内を確認しておくと安心です。
休職中の社会保険料は金額も大きく、支払い方法によっては負担感が出やすいため、休職前の段階で見通しを立てておくことが大切です。会社と相談しながら無理のない支払い方法を検討し、休職中の生活に支障が出ないよう準備しておくとスムーズです。
休職中の税金の扱いは、所得税と住民税で仕組みが大きく異なります。まず所得税については、給与が支払われない期間は課税対象となる所得が発生しないため、源泉徴収をおこなう必要はありません。休職によって給与がゼロになれば、その期間は所得税の徴収が一時的に停止します。
一方で、住民税は前年の所得にもとづいて課税されるため、休職に入って給与がなくなっても納付義務は継続します。住民税の支払いは多くの会社で給与天引きによる「特別徴収」が一般的ですが、休職中は給与がないため特別徴収ができなくなります。そのため、休職前に住民税の徴収方法をどうするか会社と合意しておくことが必要です。
徴収方法としては、住民税を自分で納付する「普通徴収」への切り替えや、会社が立て替えて後から精算する方法などがあります。どの方法を採用するかは会社の運用によって異なるため、休職前に人事担当者へ確認しておくと安心です。住民税は一定額の負担が続くため、休職前に納付の見通しを立てておくことが大切です。

休職中は会社からの給与が支給されないことが多いため、生活を支えるために利用できる公的な手当や給付金を把握しておくことが大切です。条件を満たせば、健康保険や雇用保険などから収入の一部を補う制度を利用できます。どの手当が対象になるかは、休職の理由や働き方によって異なるため、早めに概要を確認しておくと安心です。
休職中に受給できる主な手当・給付金には次のようなものがあります。
傷病手当金:私傷病で働けないときに健康保険から支給される手当
労災保険給付:業務災害や通勤災害が原因で休業する場合の給付
出産手当金:出産前後に仕事を休む際に健康保険から支給される手当
育児休業給付金:育児休業を取得した際に雇用保険から支給される給付金
それぞれ支給条件や手続きが異なるため、自分の状況に合う制度を確認しておくことが重要です。
傷病手当金は、健康保険に加入している労働者が、病気やケガによって働けなくなり、十分な報酬を受けられなくなった場合に支給される制度です。私傷病を理由に仕事を休まざるを得ないときに、所得の減少を補うためのもので、休職中の生活を支える重要な給付の一つです。
支給が始まるのは休業4日目からで、初日から3日目までは待期期間とされ、この期間が連続して成立すると4日目以降に手当の対象となります。支給額は標準報酬日額を基準に算出され、おおむね給与の約3分の2が支給されます。最長の支給期間は1年6カ月とされており、長期的な休職にも対応できる仕組みです。
傷病手当金にはいくつかの支給条件があります。まず、病気やケガによって業務をおこなえ ない状態であることが必要で、その事実については医師の診断書で確認されます。また、給与が支給されていない、あるいは十分な報酬を得られていない状況であることも条件に含まれます。さらに、申請書には会社が労務不能の状況を確認する証明欄があり、事業主側の記入も欠かせません。
申請手続きには、医師の意見書や事業主の証明などが必要になるため、休職前に必要書類や提出先の健康保険組合の手続きを確認しておくと安心です。傷病手当金は休職期間の収入を補う大切な制度のため、支給条件や期間を理解したうえで早めに準備を整えておくことが重要です。
労災保険の休業(補償)給付は、仕事中や通勤中の事故やケガ、業務に起因する病気によって働けなくなった場合に、収入の減少を補うための制度です。業務上または通勤中の負傷・疾病は私傷病とは異なり労災保険の対象となり、会社の健康保険ではなく労災保険から給付を受けることになります。業務との関連性が認められた場合には、治療費や休業中の収入補償などが支給され、療養の継続や生活の安定を支える仕組みです。
労災保険の給付にはいくつかの種類があり、休業中の負担をさまざまな側面から補う役割があります。代表的な給付は次のとおりです。
療養給付(療養補償給付):業務上や通勤中の負傷・疾病について、必要な治療費や入院費などを原則自己負担なしでカバーする給付
休業給付(休業補償給付):ケガや病気により働けない期間中の収入の一部を補う給付
傷病年金(傷病補償年金):長期にわたって治癒が見込めず、一定程度以上の障害や症状が継続する場合に支給される年金形式の給付
このように、業務や通勤に関連して発生したケガや病気については、治療費だけでなく、働けない期間の生活費や将来的な障害に対しても労災保険から幅広い補償がおこなわれます。私傷病による休職とは給付の窓口が異なるため、事故や症状が業務や通勤に関係しているかどうかを早めに確認し、会社や担当窓口へ相談して手続き方法を把握しておくことが重要です。
出産手当金は、健康保険に加入している労働者が産前産後休業を取得する際に、収入の減少を補う目的で支給される給付金です。対象となる期間は、原則として出産予定日の42日前から出産後56日までの合計98日間です。この期間は産前産後休業として働く義務が免除されるため、給与が支給されない場合の生活を支える制度として利用されます。
支給額は、標準報酬日額を基準に算出され、おおむね給与の約3分の2が支給されます。休業中の所得を一定程度保障する役割を持っており、産前産後の身体的負担が大きい時期に安心して休養できるよう設計されています。
また、多胎妊娠の場合には特例があり、産前の休業期間が長く設定されています。通常は42日前からですが、多胎妊娠では出産予定日の98日前から産前休業が取得できる仕組みになっており、その期間に応じて出産手当金の支給対象期間も伸びます。身体への負担が大きくなる多胎妊娠を考慮した特別な制度です。
申請の際には、医師の意見書や事業主の証明が必要になることが多いため、出産予定日がわかった段階で必要書類や提出先の確認を進めておくと安心です。産前産後の収入を支える大切な給付金のため、制度内容を理解し、適切に申請準備をおこなうことが大切です。
育児休業給付金は、雇用保険に加入している労働者が育児休業を取得した際に、休業中の生活を支える目的で支給される給付金です。対象となるのは、原則として1歳未満の子どもを養育するために育児休業を取得した場合で、一定の条件を満たすと受給できます。給与が支給されなくなる時期でも収入を補える制度として、多くの労働者に利用されています。
育児休業給付金の支給額は、休業開始から180日目までは休業前の賃金の約3分の2が目安です。これは「休業開始前6ヵ月の賃金を平均した額」を基準に決められ、この金額に一定の支給率を掛けて算出されます。子どもが生まれて間もない時期は育児にかかる負担が大きく、収入の減少が家計に影響しやすいため、比較的手厚い支給割合が設定されています。
181日目以降の支給割合は約2分の1に変わります。これは、育児休業が長期にわたる場合の標準的な支給率とされており、復職準備や保育園の利用開始など、生活の見直しが必要になる時期に合わせて収入を補う形になっています。支給期間中は1ヵ月ごとに支給単位期間が区切られ、その期間の就労状況や賃金の支払い状況によって金額が調整される仕組みです。支給の継続には、育児休業中に就労が一定割合を超えないことなど、いくつかの条件があります。
育児休業給付金の支給期間は、原則として子どもが1歳になるまでです。ただし、保育園に入れなかった場合や、配偶者が病気やケガで育児が難しい場合など、一定の条件を満たすと子どもが2歳になるまで延長できます。延長を希望する際には、保育園の不承諾通知など、状況を確認できる書類の提出を求められることがあります。延長できるかどうかは自治体や状況によって変わるため、早めに必要書類を確認しておくと安心です。
育児休業給付金は、復職までの収入を安定させる重要な制度です。申請には会社側の証明欄が必要になるため、育児休業に入る前に必要書類や手続きの流れを確認し、準備を整えておくことが大切です。
介護休業給付金は、雇用保険に加入している労働者が家族の介護のために介護休業を取得した際、休業中の生活を支える目的で支給される給付金です。対象となるのは、2週間以上にわたって常時介護が必要と判断される家族を介護する場合で、一定の条件を満たすと受給できます。給与が支給されない期間の生活を支える制度として、多くの労働者が利用されています。
介護休業給付金の支給額は、介護休業開始前の賃金を基準とし、おおむね給与の約3分の2が支給されます。これは「休業開始前6ヵ月の賃金を平均した額」に一定の支給率をかけて算出される仕組みです。介護が必要な時期は心身の負担も大きく、収入が減ると生活に影響が出やすいため、収入を安定させやすいように設定されています。
介護休業給付金の支給期間は、対象となる家族1人につき最大93日です。この93日のなかで、必要に応じて分割して取得することも可能です。また、給付金には上限額が設定されており、標準報酬月額に応じて支給額が調整されます。これにより、賃金が高い場合でも支給額が極端に高くならないよう設計されています。
給付金の申請には 、申請書のほかに休業開始時の賃金を証明する書類が必要です。また、会社によっては、介護休業の取得に医師の意見書や診断書の提出を求める場合があります。取得を検討している際は、早めに会社と必要書類を確認し、手続きを進める準備をしておくと安心です。介護休業給付金を活用することで、介護と生活の両立がしやすくなります。

休職から復職までの一連の手続きは、従業員と会社の双方が適切に役割を果たしながら進める必要があります。体調の変化や業務への影響を踏まえ、休職開始から復帰判断まで段階ごとに確認することで、無理のない形で働き方を整えやすくなります。ここでは、申出から復職判断に至るまでの主な流れを整理して紹介します。
主な流れは次のとおりです。
従業員からの申出(体調の不調や勤務継続の難しさを相談する段階)
会社側の要件検討(診断書の確認や就業規則にもとづく判断)
休職命令または休職承認(一定期間の休養を正式に認める)
復職判断(医師の意見、産業医面談、業務遂行可能性の確認)
これらの手続きを段階的に進めることで、従業員が安心して休養し、適切なタイミングで復職できる環境を整えることが大切です。
従業員が休職を申請する際には、医師の診断書を準備し、会社が定める様式に沿って申出をおこないます。休職は、長期的に働くことが難しい状況を会社へ正式に伝えるための大切な手続きであり、医療機関での受診や書類準備を落ち着いて進めることが重要です。
まず、休職申請には医師の診断書が必要です。体調がつらいと感じるときは、心療内科や精神科、内科などの医療機関を受診します。受診の際には、症状や仕事で支障が出ている状況を整理して伝えると、医師が状態を把握しやすくなります。休職を検討している場合は「会社へ提出する診断書が必要です」と医師に伝えることで、必要な内容を含めて作成してもらえます。
次に、会社へ提出する書類として、所定の休職申出書が求められる場合があります。書類の形式は会社ごとに異なるため、就業規則や人事担当者の案内を確認します。申出書には、休職理由、希望する開始日、診断書の有無などを記載し、医師が作成した診断書とあわせて提出します。提出方法は対面や郵送、オンラインなど会社の指定に従います。
また、休職期間中の連絡方法や手続きの追加提出が必要となる場合もあります。申請の際に、今後の流れや必要書類について確認しておくと安心です。休職の手続きは健康状態と働き方に影響する重要なプロセスのため、医師や会社と相談しながら無理のない形で進めることが大切です。
会社がおこなう休職手続きは、就業規則に定められた要件を確認しながら、従業員の健康状態や勤務状況を踏まえて判断する流れになります。休職は従業員が申し出れば自動的に認められるものではなく、会社が必要性を判断して休職命令を発令する形が一般的です。
まず会社は、従業員から提出された診断書の内容や勤務状況を確認し、休職要件に該当するかどうかを検討します。たとえば、業務に支障が出る程度の病気やけがであること、一定期間の休養が必要と医師が判断していることなどが判断材料になります。必要に応じて産業医との面談をおこない、労務提供が難しい状態かどうかを確認することもあります。
要件を満たすと判断された場合は、休職命令が正式に発令されます。通知は文書でおこなわれることが多く、休職期間、連絡方法、復職判断の流れなどが説明されます。また、休職期間中に必要となる書類の提出方法や、相談窓口の案内があわせて示される場合もあります。
一方で、就業規則上の要件に形式的には当てはまらない場合でも、従業員の状況を踏まえて休職を認めるケースがあります。就業規則に「会社が必要と認めた場合、合意により休職を認める」といった規定がある場合、従業員と会社が話し合い、双方が納得したうえで休職扱いとすることが可能です。体調の変化が軽度であっても一定期間の休養が必要なときや、家庭の事情が急に生じたときなどに活用されることがあります。
会社がおこなう休職手続きは、社内規程にもとづいた判断と、従業員の事情に応じた柔軟な対応の両方が求められます。従業員が安心して休養できるよう、適切な手続きと丁寧な説明をおこなうことが大切です。
復職に向けた手続きは、従業員の健康状態を丁寧に確認し、社内規程や過去の合意内容にもとづいて慎重に判断する流れになります。従業員が復職を希望する場合でも、医学的に問題がないか、業務の遂行に支障がないかを会社が多角的に確認することが大切です。
復職判断では、まず従業員が医療機関からの診断書を提出し、勤務が可能な状態であることを示します。会社は診断書の内容や勤務状況を確認し、必要に応じて産業医との面談をおこないます。面談では、業務の負担、勤務時間の調整、作業環境への配慮などが必要かどうかを確認し、無理のない形で復職できるかを検討します。
精神疾患による休職の場合は、特に慎重な判断が求められます。うつ病や適応障害などの症状は環境の影響を受けやすく、復帰後に再発する可能性もあります。そのため、短時間勤務や試し出勤などの段階的な復職を取り入れ、負担を少なくした形で復帰する方法が一般的です。主治医や産業医の意見を踏まえて判断することが重要になります。
会社が復職を認めない場合には、合理的な理由と客観的な根拠が必要です。医学的に労務提供が難しい、業務内容の調整がどうしても不可能といった事情が必要で、十分な検討をおこなわずに復職を拒否した場合は、解雇権の濫用と評価されるおそれがあります。復職不可の判断は慎重に進め、必要であれば従業員との面談や医師の意見をあわせて確認することが大切です。
復職に向けた手続きは、健康状態と職場環境の両面を踏まえて進める必要があります。会社の規程に沿った公平な判断と、従業員の状況に寄り添う対応を組み合わせることで、安心して職場へ戻れる環境づくりにつながります。
休職は、健康状態や家庭の事情などにより働くことが難しくなったときに、雇用関係を維持したまま休養に専念できる制度です。申請にあたっては診断書の提出や会社との相談が必要で、休職中の給与、社会保険料、税金の取り扱いについても事前に確認しておくことが大切です。また、傷病手当金や出産手当金、育児休業給付金など、状況に応じて利用できる制度もあります。
復職に向けては、健康状態の確認や産業医との面談、勤務内容の調整などが必要で、無理のない働き方ができるかどうかを慎重に判断します。特に精神疾患の場合は再発のリスクも考慮しながら段階的な復職を進めることが一般的です。休職や復職に迷うときは、一人で抱え込まず医療機関や会社の担当者へ相談しながら進めていくことが安心につながります。

休職できる条件は、会社の就業規則で定められた要件を満たしているかどうかで判断されます。一般的には、病気やけが、メンタルヘルス不調などで業務を続けることが難しいと医師に判断されることが主な条件です。また、診断書の提出を求められる場合が多く、休職期間や取り扱いは会社ごとに異なります。不安があるときは、早めに上司や人事担当者へ相談しておくと安心です。
※コラム中の画像は全てイメージです
病気や障害のこと、暮らしのこと、
お金や社会保障制度のこと、そして仕事のことなど、
何でもご相談ください。

