認知行動療法の手法のひとつに行動活性化というものがあります。難しい理論はさておき、考え方はごくシンプルです。
「気力がわかないからできない」のではなく、「やってみたら案外できて、気力も出る」ものだということです。
療養中の方のお悩みのひとつに、ベッドから起き上がれないことや、とにかく寝てしまうことがあります。
しっかりとした睡眠をとることは回復期において大切です。しかし症状が落ち着いてきたら、少しずつ生活リズムを戻していけると復職や就職にもつながっていきます。
では、どうすれば規則正しい生活リズムを作ることができるのでしょうか?
それにおすすめなのが行動活性化です。
自宅療養中の生活はどうしても乱れがちです。起床時にうつ気分を感じることも多く、なかなかベッドから出られないかもしれません。
しかし、「動こう」という気分になるのを待たずに、渋々でも起きてみたら案外やる気が出てきます。そして思ったより気分良く過ごすことができた、ということもあるでしょう。
このように「一度試してみたら、いい結果が得られたので、続けて行動してみよう」と思えるようになる可能性もあります。
簡単に言えば、行動活性化はこのようなサイクルを作り上げるやり方です。
疑わしく思えるかもしれませんが、確立された心理療法の手法のひとつです。
コツは「行動してみることで、達成感を得る。そしていい気分になる」ということ。
人間はご褒美をもらえるとわかっていれば、それに向かい努力ができる生きものです。達成感やいい気分というご褒美を目の前に置けば、思いのほかやり遂げられてしまうのです。
まずは、行動活性化を利用して、おっくうになりがちな生活習慣を改善してみるのはいかがでしょうか?