医療機関の声
矢森 真
先生からのメッセージ
リワーク支援の重要性について
リワーク支援とは、うつ病などのメンタル疾患で仕事を休んでいた方々が、無理なく職場復帰できるようにサポートする取り組みです。長期の休職を経て社会復帰を目指す際には、復帰への不安・肉体的な面での負担など乗り越えなければならないハードルがいくつもあり、更に疾患再発のリスクもあります。
リワーク支援を利用することで、人間関係の練習・ストレス対処法の習得などを通じ、復職するための自信を回復し、疾患再発を防ぐことが可能となります。また、職場との間に支援者が介入することで、安心して働き続けられる環境づくりも目指せます。リワーク支援は、こころの健康を守りながら再出発をサポートする大切なプロセスだと考えます。
リワークを利用される利用者に向けてのメッセージ
リワークへの参加を検討されている方・参加を決断された方、復職に向けて大きな一歩を踏み出されようとしていること、その勇気にまず敬意を表したいと思います。
実際にリワークプログラムを受けてみようと思える段階にいたるまで、つらい時期をよく乗り越えてこられました。ここまで到達された方々には、既に “回復に向かう力” が備わってきているはずです。そして、リワークには同じ境遇を乗り越えようとされている仲間がいます。また、専門的なアドバイスをしてくれる支援者もいます。焦る必要はありません。あなた自身の力・仲間の力・支援者の力、それらがあわされば、必ず回復への道は開けます。焦らずに一歩ずつ歩んでいきましょう。
リワークセンターに期待すること
当院に通いながら復職を目指しておられる方の診察に、リワークセンターのスタッフが同席していただいたときに感じるのは、その方その方の特性に応じてきめ細やかに支援をいただいているという印象です。
復職に向けたきめ細やかな対応(企業との連携やソーシャルスキルトレーニングなど)という部分は、当院のような個人クリニックでは、クリニック内で完結することが難しい面があります。これからも、そのようなクリニックだけでは不足しがちな部分について、きめ細やかに補完してもらうことを期待しております。
中島 幸枝
先生からのメッセージ
リワーク支援の重要性について
適応障害やうつ病などのメンタルヘルス不調のために労務困難となった場合、休職しながら治療を受けて、病状の回復を目指します。復職の判断は、病状の回復の他に、生活リズムが安定していることや、以前のように業務をきちんとこなせるかどうかも重要です。
メンタルヘルス不調者の休職や、復職後の再休職は年々増えています。リワークでは生活リズムを安定させ、業務遂行能力を回復されるだけでなく、再発予防に関する取り組みもたくさん行われており、重要性が高まっていると思います。
リワークを利用される利用者に向けてのメッセージ
働けなくなった自分を責めたり、職場のみんなや家族に対して申し訳なく思ったり、自信を失ったり、早く復職しなければと焦ったり、さまざまな葛藤を抱えておられると思います。休職すると決めるだけでも一大決心だったと思います。
復職し、その後安定して勤務を継続するためには、一歩ずつ着実に前に進んでいくことが大切です。周囲のサポートを受けながら、みんなで一緒に取り組んでいきましょう。
リワークセンターに期待すること
一言で休職、復職といっても、その人のおかれている状況や病状、課題などはさまざまです。一人ひとりに合わせた、多面的なアプローチで、利用される方の復職とその後の安定をしっかりとサポートしていただけることを期待しています。
休職中は大きな不安を抱えておられるので、安心して取り組める環境作りも大切だと思います。診療場面では見えない面もリワークではたくさん見えてくると思いますので、情報共有も密にしていけたらと思っております。
亀谷 貴浩
先生からのメッセージ
リワーク支援の重要性について
三つあります。一つ目は、生活習慣の改善です。午前中に通所して、午後退所するまで何かに取り組んで帰宅する。そうした日々を重ねることで、生活リズムが回復していきます。
二つ目は、コミュニケーションです。一人で家にいる時間が長引くほど、人と関わることが億劫になり、ますます外出しづらくなります。リワークに通い、スタッフや他の利用者と挨拶を交わし、何気ない会話を楽しむ。こうしたたわいもないやりとりが、回復に向けて大きな意味を持つのです。
最後は、自分の特性を把握し、自分にあった働き方に気づくことです。もとの職場に戻ったとしても、そこが自分の個性や傾向性に合っていないならメンタルヘルス不調を繰り返す可能性が高くなります。いまは自己理解を深める時間ととらえて、自己分析などに積極的に取り組んでいただきたいと思います。
リワークを利用される利用者に向けてのメッセージ
利用しはじめのときに大切なのは、無理をしないことです。休職されている方には「やらないといけない」「休むべきではない」という考え方の方が多いように感じます。責任感、義務感が強いので、「できません」「助けてください」「手伝ってください」などが言えず、自分で自分を追い込んでしまうのです。
ですので、リワークにも無理して毎日通おうとする方が珍しくありません。体調がよく、負担を感じなければ行く。そうでなければ休む。まずは心身の声にしっかり耳を傾けながら、ご自身のペースで利用していただけたらと思います。
リワークセンターに期待すること
患者さんから「リワークセンターを利用して良かった」という声は届いています。その上でさらに申し上げるなら、心理的ケアにより力を入れていただきたいと思います。認知行動療法、ストレスコーピングといった内容を一層充実させて、利用者さん自身がより自己理解を深め、これからの人生の選択肢を広げられる場になることを望んでいます。