リハビリ出勤 をご存知でしょうか? 試し出勤 や 慣らし勤務 とも呼ばれ、厚生労働省による『心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き』においても推奨される制度です。休職者が実際の職場で自身の体調や職場の状況を確認しながら、復職準備をおこなうことができます。自分のペースで完全復帰に向けて進められるので、高い職場復帰率や復職後の職場定着が期待できる制度です。実際にリワークセンターでは、企業や医療機関と連携しながらリハビリ出勤を取り入れることで、復職率95%・復帰後の離職率は5%と多くの方が安心して働き続けられています(2023年11月現在)。
適応障害で休職したAさん。休職中の過ごし方を主治医に相談すると、リワークセンターを紹介されました。リワークセンターを見学し、体験を経て利用を決めました。外での活動場所ができたことで生活リズムが改善され、体力も徐々に回復。また仕事に役立つプログラムを受けながら、復職準備を整えることができました。
適応障害の症状も落ち着き、週5日休まず通えるようになったAさん。リワークセンターのスタッフが同席しながら、上司と復職面談を実施しました。Aさんの状況について自分で説明できない部分は、リワークセンターにも補足をしてもらいながら上司と休職要因と再発防止にむけた認識のすり合わせをおこないました。上司の方の意向として、主に以下がありました。
Aさんの会社では、これまでメンタルヘルス不調で休職した方がおらず、復職にあたっての体制構築ができていません。ただ社員想いの会社であり、Aさんを気遣う様子が至る所で見えました。そこでリワークセンターから リハビリ出勤 を提案しました。
最初は週2日の半日勤務から開始し、業務内容も負荷の少ない仕事に取り組んでいただくことになりました。また就業後はリワークセンターと面談をし、仕事で気になることや悩みを言語化できるように心がけました。そして、その悩みを上司に自分から言えることは伝え、難しいときはリワークセンターで代弁しました。不安や悩みを伝えられれば、必要に応じて配慮を受けられることを体感したAさんは、徐々にリワークセンターに頼らずに思いを伝えられるようになりました。また企業側としても、Aさんをきっかけに従業員全体が不安・悩みをオープンにしやすくなったことで、より良い職場環境に転じていったと喜ばれていました。
リハビリ出勤の頻度や勤務時間を徐々に増やし、2ヵ月後には週5日フルタイム勤務できるようになりました。フルタイムで働けるようになってからも、リワークセンターとの面談は続いています。相談できる場所ができたことで、悩みをひとりで抱え込まずに現在も働き続けています。
リワークセンターは日本最大級の復職専門の支援機関です。全国で日々500人以上の方が利用しています(2023年7月時点)。職場復帰事例が豊富にあり、その一部をまとめた復職エピソードbookを配布しています。ご興味のある方はお気軽にご請求ください。
このようにリハビリ出勤から始めることで、休職者に負担がかかりすぎることを避けられます。ただリハビリ出勤は法律で定められた制度ではありません。そのため企業によって制度内容はさまざまであり、その制度自体が未導入なこともあります。そこで今回は試し出勤の代表的なものをご紹介します。
リハビリ出社の内容はさまざまです。たとえばリワークセンターでの一例をご紹介します。
リハビリ勤務は、主に休職期間中におこなわれます。そして試し勤務中に給与が支払われるかは、その内容次第になります。リハビリ出勤中に使用者の指揮命令下にあり、労務提供をおこなっていた場合は賃金の発生条件を満たします。たとえば上司の指示のもと、会社の実務に従事していたなら給与は支払われるべきでしょう。しかし会社にはいるけれど仕事をしていない場合は、労務提供をしていないため賃金も発生しません。トラブルに発展しないために、リハビリ出勤前に会社と話し合っておきましょう。
傷病手当金とは、健康保険の被保険者が病気療養等により労務に服することができない期間に支払われる制度です。そのためリハビリ出勤中に、会社にいても仕事に関わっていない場合は、労務提供していないと判断されて、傷病手当金を継続受給できる可能性があります。一方で、リハビリ出勤中に労務提供をしていた場合、傷病手当金は個々のケースによって異なります。リハビリ出勤では、初期時点と終わりのほうでは社内での関わり方が異なることも背景にあります。傷病手当金が支払われないこともあれば、下記のように賃金と傷病手当金がどちらも支給される可能性もあります。
労働時報 第3818号/12 3.23には「本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない副業ないし内職等の労務に従事したり、 あるいは傷病手当金の支給があるまでの間、 一時的に軽微な他の労務に服することにより、 賃金を得るような場合その他これらに準ずる場合には、 通常なお労務不能に該当するものであること。 したがって、 被保険者がその提供する労務に対する報酬を得ている場合に、 そのことを理由に直ちに労務不能でない旨の認定をすることなく、 労務内容、 労務内容との関連におけるその報酬額等を十分検討のうえ労務不能に該当するかどうかの判断をされたいこと」 と示し ています。
つまり、 一部就労によって賃金が支払われる場合であっても、 状況によっては労務不能な状態が継続していると判断され、 傷病手当金が支給されることもあるということです。このように述べ、「保険者が引き続き労務不能と判断した場合には、傷病手当金は継続して受けられる。その判断基準は保険者によって異なるため、まは保険者に確認をすべき」とまとめています。そのためリハビリ出勤中の傷病手当金の扱いが不安な方は、保険者に確認するとよいでしょう。
リハビリ出勤は、復職後についていけるか心配な方におすすめの制度です。完全復帰までの道のりを細かく刻むことで、自分に合ったペースで復職することができます。リハビリ出勤をしたいけれど、企業に認めてもらえるか不安な方はリワークセンターまでご相談ください。あなたが安心して復職できるようにサポートします。
復職はゴールではなくスタート。復職後にあなたが安心して働き続けられることが大切です。休職者・企業・主治医など、あなたをとりまく関係者が協働し合うことで、働きやすい環境づくりにつながります。その環境づくりにリワークセンターが精一杯サポートしますので、ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。